日本語教育Wikipedia

早稲田大学大学院日本語教育研究科小林ミナ研究室に所属する大学院生,あるいは,担当授業の履修生が日本語教育に関する専門用語について調べた内容を記述するサイトです。教育活動の一環として行っているものですので,内容について不備不足がある場合がありますのでご注意ください。記事の内容の著作権は,各記事末尾に記載してある作成者にあります。

オノマトペ

オノマトペ〔フランス語onomatopée、英語onomatopoeia〕は、擬音語・擬態語を意味する外来語である。

 

 

目次

  1. オノマトペの分類
  2. オノマトペの定義
  3. オノマトペの英訳と類義語

 

 

1.オノマトペの分類

擬音語・擬態語はそれぞれ、外界の音を写した言葉である「擬声語、擬音語」と、音をたてないものを音によって象徴的に表す言葉である「擬態語、擬情語、擬容語」に分けられる(図1)。オノマトペを、擬音語(擬声語と擬音語)と擬態語(擬情語と非擬情語)に分ける立場もある(図2)。

 

f:id:minakob-lab:20190218224725p:plain

 図1 金田一(1978)1による分類

 

f:id:minakob-lab:20190218224744p:plain

 図2 筧・田守(1993)2による分類

 

 

2.オノマトペの定義

小型国語辞典での定義は、〔擬声語・擬音語・擬態語〕、〔擬声語・擬態語〕、〔擬声語〕、または〔擬音語〕と揺れている(図3)。また、擬音語・擬態語の総称として「擬聲語(擬声語)」3を使用する研究もあり、この場合は、擬聲語とオノマトペが同義となる。

 

 

定義

所載の辞典

出版社(発行年)

1

擬声(ぎせい)語・擬音語・擬態語。フランスonomatopée

例解新国語辞典 第七版

三省堂(2007)

2

〈フonomatopée〉 擬声語・擬態語

新選国語辞典 第六版

小学館(1987)

3

(フランスonomatopée)擬声語および擬態語

現代国語例解辞典 第五版

小学館(2016)

4

〈フランスonomatopée〉①擬声語。擬音語。②擬声語と擬態語の総称

集英社 国語辞典 第二版

集英社(2000)

5

〔フonomatopée〕 擬声(ギセイ)語。擬音(ギオン)語

三省堂国語辞典 第六版

三省堂(2008)

6

擬声語と擬音語。フランスonomatopée

学研現代新国語辞典 改訂第六版

学研プラス(2017)

7

フ onomatopée 擬声語

現代国語表記辞典 第二版

三省堂(1992)

8

【onomatopéeフランス】擬音語に同じ。オノマトペア

広辞苑第七版

岩波書店(2018)

図3 小型国語辞典におけるオノマトペの定義

 

 

3.オノマトペの英訳と類義語

オノマトペは、「擬音語・擬態語の総称」として用いられることが多いが、「擬音語」または「擬声語」と定義づける国語辞典もある(図3)。これは、フランス語のonomatopée、英語のonomatopoeiaが音に関する語として、生物や事物から生じる声や音を表す擬声語、または擬音語に直訳されるためである。英語では模倣、擬態を表すmimicを用いて、日本語の擬態語にあたる語を”mimic words, mimetic words”という。

狭義のオノマトペはonomatopoeiaと対応し、オノマトピア、オノマトペアとも呼ばれるが、広義のオノマトペは、擬音語・擬態語と対応し、英語では”onomatopoeia and mimic words”と訳される(図4)。さらに擬音語・擬声語・擬態語・写生詞・オノマトペ(onomatopoeia)などと呼ばれる語類の総称として「音象徴語」を用いる場合もある4

以上のように、擬音語、擬態語などの語が意味する範囲には揺れがあり、その揺れはオノマトペが意味する範囲の揺れに反映されている。

 

f:id:minakob-lab:20190218230415p:plain 図4 オノマトペの狭義と広義の類義語

 

 

関連語

 オノマトピア、オノマトペア、onomatopoeia、onomatopée、擬声語、擬音語、擬態語、擬情語、擬容語、音象徴語

 

 

参考文献

1)筧壽雄・田守育啓(1993)『オノマトピア 擬音・擬態語の楽園』勁草書房,東京

2)浅野鶴子・金田一晴彦(1978)『擬音語・擬態語辞典』角川書店,東京

3)大坪併治(1989)『擬声語の研究』明治書院,東京

4)日本語教育学会(2005)『新版日本語教育事典』大修館書店,東京

 

 

〈作成者:N.F.〉